■日本イーライリリー、タクシー乗務員向け講座
糖尿病予防、治療の基本は通院と服薬、食生活改善、運動療法とされるが、仕事との兼ね合いでさまざまな個別指導が考えられる。タクシー大手の日本交通と製薬会社日本イーライリリーは、血糖値が気になるタクシー乗務員を対象にした糖尿病の治療と対策セミナーを開き、医師と栄養、運動の専門家が講演した。
始めに、奈良県立医大糖尿病学講座の石井均教授が糖尿病の診断基準や合併症の危険性を説明し「糖尿病と言われたら症状がない、何ともない状態でも通院を」と促した。
石井教授は、糖尿病薬にいろいろな種類があるとした上で「運転中の低血糖になるのは危険。薬の副作用も含めて医師の話をよく聞いて、自分の希望を伝えて、生活に合っていて飲みやすい薬を選んで」と話した。
管理栄養士の浅野まみこさんは、外食になりがちな乗務員の食事でも血糖値を抑えるために「野菜を最初に食べる」「ゆっくり食べる」ことを強調した。
さらに、外食やコンビニを利用する際の具体的なメニューやトッピングの実例を挙げて、なるべく皿数の多い定食類を選び、野菜や海藻、きのこ類を追加することで血糖値の急上昇を抑えられると説明した。
フィジカルトレーナーの中野ジェームズ修一さんは、止めたタクシーの横で手軽にできるよう考案した、スクワット、もも上げなど負荷の強い運動を10回ずつ交互に行う5分間の筋力トレーニングを紹介した。