悪玉コレステロール値が生まれつき高くなる「家族性高コレステロール血症(FH)」かどうかを、アキレス腱の厚さを超音波で調べて診断できる手法を開発したと、国立循環器病研究センター(大阪府)などのチームが31日、明らかにした。
エックス線撮影や触診で厚さを診る方法があるが、腱と皮膚の境界が不明確で測定しにくいほか、開業医などでは撮影装置を備えるところが少ない。超音波検査の機器は設置されていることが多く、FHの早期発見、治療が期待される。
チームによると、FH患者は、心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患を若くして発症しやすい。研究ではFH患者130人と、糖尿病や高血圧症、脂質異常症の患者計155人のアキレス腱の厚さを超音波で調べて比較、解析し、男性は6ミリ以上、女性は5.5ミリ以上ある場合、FHの可能性が高いとする基準を国内で初めて作った。日本動脈硬化学会指針の次回の改定で、新たな診断法として盛り込みたいという。