日本の平均寿命は過去25年間に4.2歳延びたが、都道府県間の健康状態の格差は拡大したとの研究結果を、東京大の渋谷健司教授(国際保健政策学)らのチームが20日、英医学誌ランセットに発表した。平均寿命は、最長と最短の県の差が3.1歳に広がった。格差の原因は不明だが、医療体制や食事などの生活習慣以外に理由があると考えられるという。
チームは、国などが公表している死亡や病気に関する平成2年と27年のデータを独自に解析。全国の平均寿命は、25年間で79.0歳から83.2歳に延びた。ただ2年に最長の長野と最短の青森の差は2.5歳だったが、27年には最長の滋賀と最短の青森の差が3.1歳に広がった。
健康上の問題がなく生活できる期間を示す健康寿命も70.4歳から73.9歳に延びたが、地域間の差は広がった。
医療の進歩を見るため、年齢構成の違いを取り除いた病気などの死亡率を算出すると、全国で29%減少。心臓病やがんの死亡率が下がったためだが、27年以降は減少のペースが鈍くなっていた。