夏のエアコン商戦がピークを迎えている。寝苦しい夜が続くと、売り場へ足を運ぶ人が増えるという=東京都新宿区の家電量販店「ビックカメラ」新宿東口店【拡大】
梅雨が明けると、本格的な猛暑がやってくる。熱中症は7月に急増し、それによる死者は同月下旬から8月上旬の猛暑日に集中している。予防にはこまめな水分補給や、部屋の状況に合わせたエアコンの使用が大切だ。(牛田久美)
◆夜間、屋内も要注意
「起きたら体が動かなかった。意識がなかったら命を失っていたかと思うと、恐怖を覚える」。東京都大田区の読者、鈴木清美さん(69)から熱中症の体験をつづった手紙が編集局へ届いた。
鈴木さんは「夜風の涼しい部屋で眠り、問題なく過ごしていた」という。だが熱帯夜が明けた朝、動けなかった。搬送先の病院で熱中症と診断される。「点滴中、ずっと体を冷やされた。よほど熱がこもっていたのですね」
熱中症は、高温多湿に体が適応できず引き起こされる脱水症状などの総称。めまい、頭痛、吐き気などの症状を引き起こす。
◆涼しい場所で過ごす
鈴木さんは幸い自力で対応できたが、厚生労働省によると、平成28年までの10年間(夏季)、熱中症で亡くなった人は7932人。東京都によると、昨夏、23区は屋内が19人、屋外が6人で屋内の方が多かった。最多は80代。67%がエアコンを使っていなかった。