2017.5.20 16:11
上司の誘いを断ると、人事評価や昇進・昇格に影響するのか。医療機器メーカーの人事部長は「もう出世に影響を与えることはない」と話すが、大手銀行の人事担当者は「飲み会参加は鉄則」と語る--。
上司の誘いを断ると昇進・昇格に影響するのか?
今の時期、何かと職場の飲み会や上司からの飲みの誘いが増える。以前は万難を排して参加する社員がほとんどだったが、今では「ちょっと用事がありますから」とあっさり断るケースも珍しくない。
飲み会ではないが、バブル期の1991年に新入社員に「デートの約束があった時、残業を命じられたらどうするか」という質問に「断ってデートをする」と回答した人が37%もいたのに驚いたことがある(日本生産性本部調査)。また、2016年度に実施した「仕事中心か、私生活中心か」の質問では、仕事中心より私生活中心が上回っている(同調査)。確実にプライベート重視派が増えているようだ。
だが、気になるのは上司の誘いを断ると人事評価や昇進・昇格に影響することがないのかという点だ。医療機器メーカーの人事部長はこう語る。
「かつては上司に誘われれば忠犬のようにつきあうことで上司の覚えがめでたくなり、“情実人事”で課長になる人もいました。でも今ではライン課長になれるのは3割、しかも仕事の成果を出さなければ無理です。飲みにつきあって心証をよくしても出世できる時代ではない。また、最近は女性社員を含めて子育てなどで終業後の時間が制約される社員も増えていますし、参加する、しないで評価が出世に影響を与えることはなくなっています」