漁が行われている海域は沿岸から遠く、漁獲しても日本人が好む鮮度を保てないため、日本漁船は出向かない。さらに、台湾漁船は1200トンと日本の6倍以上あり、船内に冷凍施設を備え、数カ月にわたって洋上にとどまって漁を続けることが可能だという。
市場関係者は「日本近海に集まる前のサンマを根こそぎ取っているような状態だ」と訴える。
同機構によると、日本の年間漁獲量は昭和55年ごろから20万~30万トンで推移し、シェアの80~90%を占めていたが、平成20年ごろから台湾が急増。25年には台湾が18万2千トンと日本(14万7千トン)を逆転。昨年の日本のシェアは32・2%まで落ちている。
また、台湾は、サンマ消費だけではなく、中国などへの輸出にも力を入れているといい、関係者は「このまま押され続けると、日本の食卓からサンマが消える日も来るのではないか」と危ぶんでいる。