香醋(こうず)に含まれ、肥満・生活習慣病などの予防効果が期待されている成分「フレグライド1」について、フレグライド研究会の辻野義雄代表(北陸先端科学技術大学院大学教授)は、成人男女への臨床実験の結果、皮下脂肪や内蔵脂肪減少効果が認められたと発表した。
同研究会は「フレグライド1を活用した新たな肥満改善食品の創出が期待される」と指摘している。研究成果は9月7~9日、奈良市内で開催される日本油化学会で報告される。
香醋は中国で2000年以上前から食されている、もち米などを発酵・熟成させた調味料。同研究会は、香醋から発見されたフレグライド1の生活習慣病の予防・改善効果に注目し、昨年3月にマウスへの実験結果を発表していた。
今回のヒトへの臨床実験では、BMI値が25~30の30~60歳の男女40人を対象とし、20人が8年熟成香醋を、残りの20人が半年熟成香醋を12週間摂取し、内臓脂肪が減少するかを検証した。
その結果、8年熟成香醋を摂取した58歳男性が12週間後に内臓脂肪の面積が約14%、皮下脂肪の面積が約19%それぞれ減少するなど、8年熟成香醋の内臓脂肪の減少効果が確認された。