「生涯学習」という言葉が一般的になって久しい。何かを学びたいという意欲を持っている人は少なくないはずだ。それでも、加齢による記憶力の減退などを理由に、一歩を踏み出せないということもある。歴史的人物の偉業から、人は何歳になっても学べることが立証されている。(櫛田寿宏)
経験を積んだ今こそ
放送大学教養学部の全科履修生として学ぶ伊藤清さん(72)=千葉市稲毛区=は、長く勤めた仕事を辞めた平成26年に入学した。「4年間では難しいかもしれないが、いずれは卒業する」という目標を掲げている。
伊藤さんは高校卒業後、金融機関に就職した。職場の仲間たちのほとんどは大学を卒業している。周囲の勧めもあり、夜間の大学に通い卒業した。「当時は知識を詰め込むだけで精いっぱいでした。その頃から、いずれは好きなことを楽しみながら学びたいという夢を持つようになりました」。経験を積んだ今だからこそ深く理解できることは多いといい、「年齢は勉強をあきらめる理由にはなりません」と話す。