【早坂礼子の経済ウオッチング】アンテナショップ隆盛(1)
地方自治体が地元の特産品などを売るアンテナショップが賑わっている。国土が南北に細長い日本は地方ごとに言葉や文化が違うので、消費者にとって知らない土地の産品はそれだけで魅力的だ。国も地方創生のかけ声をかけるなか、アンテナショップの実態や課題を探った。
年間売り上げ1億円超が半数以上
JR有楽町駅前の東京交通会館はアンテナショップの集中スポットだ。「北海道どさんこプラザ」「秋田ふるさと館」「ゆめぷらざ滋賀」など10数店舗が入っている。このビルを出た外堀通り沿いにも日本橋方面に「いしかわ百万石物語・江戸本店」「大分県フラッグショップ 坐来 大分」が軒を並べ、銀座1丁目の通りを挟んで沖縄の「銀座わしたショップ」がある。その隣は「まるごと高知」、「食の國福井館」、「茨城マルシェ」で、付近には「おいしい山形プラザ」や「広島ブランドショップTAU」もある。
銀座だけではない。高島屋前近くの日本橋プラザには「おいでませ山口館」と「富士の国やまなし館」が、三越周辺には「奈良まほろば館」、「ブリッジにいがた」「にほんばし島根館」「三重テラス」「日本橋ふくしま館MIDETTE」が出店し、日本橋も新たな集中エリアになりつつある。このほか、新橋、新宿、池袋、飯田橋、表参道にも点在し、気がつけば東京都心はアンテナショップだらけだ。