8月に94歳で死去した作家、阿川弘之さんのお別れの会が24日、東京・日比谷の帝国ホテルで開かれた。文壇関係者ら約350人が参列し、阿川さんを偲んだ。
生前、自分の葬儀や通夜、お別れの会などは一切行わないよう家族に言い残していたという阿川さん。長男で法学者の阿川尚之さん(64)は、「父が逝去したとき、この遺言らしきものをどこまで守るか悩みました。本当に何もしないと、偏屈な父はかえって不機嫌になるのではないかという嫌な予感もありました」と明かすと、会場は笑いの渦に包まれた。
長女でエッセイストの阿川佐和子さん(62)も、「ここまで反逆するかというぐらい、反逆の会が本日とうとう行われてしまいました。その父の気持ちを量って、少々不愉快そうな写真を用意させていただきました」と笑わせた。
元海軍大尉で旧日本海軍をテーマにした数々の作品で知られる阿川さん。会場では、海上自衛隊東京音楽隊が海軍礼式歌「命を捨てて」や「海ゆかば」「軍艦マーチ」が演奏された。