大テーブルの相席が基本だった大学の学生食堂で「ぼっち席」と呼ばれる1人用の席が広がっている。テーブルの上に仕切りを設けて、対面する人の顔を見えなくした。1人で食事をするのが好きな学生が増えたというより、1人で食事をしているのを見られたくないという心理に配慮したようだ。(村島有紀)
保護者の要望
「『ぼっち席』がなかったときは、1人で食べるのがいやで、おにぎりを買って次の授業がある教室で食べたりしていた。ぼっち席があるほうが1人でも使いやすい」
大東文化大の東松山キャンパス(埼玉県東松山市)にある学生食堂。バレーボールサークルに所属する2年生の男子学生(19)は、こう話す。
ぼっち席は、6人テーブルの中央に高さ約50センチの半透明のプラスチック板が設置された席のこと。対面の人の顔は見えず、カウンターに座っているような状態になる。「ぼっち」は「ひとりぼっち」の意味で、主に友人や恋人のいない状態を指す。全375席のうち72席が、こういった「ぼっち席」だ。