【荻原博子の家計防衛術】
昨年終盤から何度か触れてきた相続税の増税が今月から始まりました。相続税というと、「うちはそれほどお金がないから大丈夫」と思っている方も多いでしょうが、実際に相続が発生し、思わぬトラブルに巻き込まれるケースも。今回はそんな例をお話しします。
例えば、お金はないけれど、都心で母親と評価額1億円の家に住んでいる女性、Aさんの場合。弟は実家を離れて家庭を持ち、Aさんは独身で母親の介護に明け暮れる日々です。
母親が亡くなったら、1億円を5千万円ずつ相続することになりますが、Aさんは母親と一緒に住んでいるので、土地の評価額を一定の割合まで下げてもらえる「小規模宅地の特例」が使えて、相続する5千万円の評価が1千万円に減額されます。弟は5千万円のままなので、Aさんの1千万円と合わせた計6千万円が相続の対象となります。