大企業が開発部門を総動員して作り、市場に投入した商品でも、なかなかヒットに結びつかない時代。個人やグループが創作意欲を形にしたり、少数ながらも熱烈なファンの声を取り入れたりした品物が、ひそかな人気となるケースが増えている。昨年秋から相次いで開かれたイベントには、鋭い感性でニッチな市場をつかみ、発展していこうとしている品々が並んで、来場者の目を引きつけた。
2014年の最後を飾った「第65回NHK紅白歌合戦」で、氷川きよしの歌に合わせて、2台の大きなロボットが動いていたのを、目にした人も多いだろう。おかめとひょっとこの面を胴体につけ、長い手足を自在に伸ばして踊るそのロボットを作ったのが、東京都八王子市にあるベンチャー企業のスケルトニクスだ。
ロボットといっても、エンジンやモーターで人のパワーを増幅させるタイプの物ではない。骨組みのようなボディーに体を入れ、両手でハンドルを握って上下左右に動かすと、長いアームが同じような動きをするというもの。同社では「動作拡大型スーツ」と呼んでいる。