和菓子の材料から、最近はパンや洋菓子、料理へと用途が広がりつつある「米粉」。新米のおいしい季節に、家庭でも身近になった米粉の新しい魅力を見つけてみては?(榊聡美)
もっちり、しっとり
製菓・製パン材料の専門店「クオカショップ日本橋三越」(東京都中央区)では製菓用、パン用合わせて8種類の米粉がそろう。
野田愛子店長は「以前は、パティシエなどプロ用に作られた高価格の米粉しかなく、『少し手頃な上新粉やもち粉を代わりに使ってもいいの?』と聞かれることが多かった。今は価格がこなれて、ほぼ小麦粉感覚で使えます」。
「もっちり」「しっとり」という日本人の好きな食感は、米粉の保水力によって生まれる。シフォンケーキとロールケーキは特に「米粉派」が増えている。
「米粉を使うとキメの細かい滑らかな生地が作れます。ロールケーキは最後に巻くときに生地が割れてしまうのが失敗しやすいポイントですが、米粉の生地はしなやかなので巻きやすいんです」(野田店長)