■「ならず者国家」に服属せぬため
中国の覇権主義の動きが止まらない。尖閣諸島への領海侵犯やパラセル(中国名・西沙)諸島における乱暴な実力行使など、力による領土変更を強行する姿勢があらわである。アジアの平和と安定を破壊しているのは中国なのだ。自国利益の追求に手段を選ばない危険な国にどう対処するか。それこそがこれからの日本の政治、外交、軍事の基本的な大前提なのである。
では、実際に軍事衝突が起きたらどうなるか。現状では自衛隊は中国軍を圧倒できると著者は断言する。しかし、この20年間軍事費を毎年2桁増額してきた中国が今後も軍拡を続けるなら、いつか均衡は破れる。日本が軍備増強の努力を怠るならば、戦争は現実のものとなるだろう。戦争のできる国だけが戦争を避けることができるからだ。しかも相手は力による支配も辞さない中国なのである。