経済産業省は15日、2014年度の中小企業の賃上げに関する調査結果を発表した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)や賞与、一時金の増額などの賃上げを実施したと回答した企業は全体の64.5%と、昨年度(56.8%)から7.7ポイント上昇した。経産省は、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」による効果が地方の中小企業にも波及しつつある、と分析している。
ベアを実施したと回答した企業は全体の23.4%で、賞与や一時金を増額した企業は同31.0%だった。ベアの幅では「2000~5000円未満」が42.4%で最も多かった。
また、賃上げを実施した理由(複数回答)では、「従業員の定着・確保」(75.7%)が最も多く、「業績回復の還元」(28.9%)が続いた。景気回復を背景とした人手不足も、賃上げの動きに影響しているとみられる。
茂木敏充経産相は15日の閣議後会見で、「地域間の格差も縮小するなど、地方へ経済の好循環が着実に波及しつつある状況が見て取れる」と述べた。
調査は、今回初めて実施した。今年6月に全国の中小企業3万社に調査票を送り、7月23日までに1万380社から回答を得た。