女性の活躍支援や介護家庭などの家事支援ニーズに対応しようと政府は、年明けにも一部地域から、家事代行サービスで外国人労働者の受け入れに踏み切る。ただ、心理的・経済的両面といわれる抵抗感から、日本では家事代行サービスがなかなか普及してこなかったのも事実。国が外国人受け入れ態勢を整備したところで需要はあるのか。業界には戸惑いも広がる。
「松本さん、こんにちは」「スーザン、今日もよろしくね」。家事代行サービス会社のエプロン姿のフィリピン女性は、パッと周囲が明るくなるような笑顔で、依頼主の女性とあいさつを交わす。
東京都文京区の医師、松本夏美さん(49)=仮名=の家庭では毎週1回、同じフィリピン人スタッフに掃除を頼んでいる。紹介元は外国人駐在員や富裕層向けに家事代行サービスを提供するシェヴ(東京都港区)。250人のスタッフのうち約100人がフィリピン人だ。
松本さんは「ホテルのサービスのようにきれいになるし、何よりスーザンは明るくて人柄がいい」と高くかっている。8年前からシェヴを利用。当初は日本人スタッフだったが、交代要員だったスーザンの仕事ぶりを気に入った。月約4万円の費用も高くないと感じる。