人気の高い漫画作品を、スマートフォン(高機能携帯電話)やタブレット端末などで、無料で読めるアプリが人気だ。昨年から今春にかけ、多くの作品が読めるサービスが相次いで誕生。立ち読み感覚で楽しむことで、気軽に漫画に触れてもらおうという試みが注目を集めている。(戸谷真美)
3カ月で300万超DL
3月初旬、ディー・エヌ・エー(DeNA)が運営する無料漫画アプリ「マンガボックス」が、配布開始から約3カ月で300万ダウンロードを超えた。専用アプリをダウンロードすれば、人気漫画『進撃の巨人』の派生作品である『寸劇の巨人』などオリジナルの連載約40作品が毎週自動的に配信される仕組みだ。
好調の理由について、マンガボックスの樹林伸編集長は「(ソーシャルゲームのモバゲーを運営する)DeNAの開発力があったから、操作しやすく読みやすいアプリになった。講談社や小学館などと提携し、質の高い作品を提供できたことも大きい」と分析する。
一方、KADOKAWAも3月22日から無料漫画アプリ「コミックウォーカー」の提供を開始。『新世紀エヴァンゲリオン』などのフルカラー版をはじめ、同社の約200作品が読める。同社の井上伸一郎専務は「今年中に月に1億ページビュー(閲覧ページ数)、100万人が利用するサイトにしたい」と意気込む。