「痛くなったら歯医者に行けばいいか」。こんな具合に“たかが虫歯”と侮るのは禁物だ。虫歯は全身のさまざまな病気につながるといわれる。たとえ治療しても一度削った歯はもう元通りに戻せない。このため削らずに修復を促す『初期虫歯対策』が肝心という。(中山忠夫)
「虫歯になると、口の中にいる細菌が虫歯の穴から血管に直接入り込んでしまい、血液を通じ全身に運ばれて影響を及ぼすのです」
虫歯の“怖さ”をこう語るのは、鶴見大学歯学部の花田信弘教授。人の口の中にすみつく細菌は700種以上にもなるといい、「このうち虫歯や歯周病を起こす“悪玉菌”は血管を傷つけて動脈硬化の原因となり、脳に侵入すればアルツハイマー型認知症を引き起こす可能性も」。関節リウマチや糖尿病、早産なども密接な関係があるという。