気温が下がる秋冬は夜空が美しく見える季節。この時期、天文ファンを中心に話題を集めているのが今月下旬、太陽に最接近する「アイソン彗星(すいせい)」だ。予想では肉眼でも見られる大彗星とされ、観察イベントが各地で予定されている。(日野稚子)
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「二度目はない」
「注目を集めていると思った」と話すのは、アイソン彗星チャーターフライトを企画したANAセールス(東京都港区)広報担当者。12月8日の明け方、上空から彗星を見る90分のフライトは100席限定で、費用は2人1組で約10万円と高額。しかし、発売日前日の告知にもかかわらず、発売後15分で完売した。
毎月第4金曜日に星空観察会などを開催する六本木ヒルズ(同)の屋外展望台(スカイデッキ)は12月6~8日の午前4時からアイソン彗星観察会を開催。有料の事前申込制(今月15日まで)だが、各日とも300人の定員を上回り、抽選という人気ぶりだ。
アイソン彗星は昨年9月、発見された。今月29日、太陽の直径(約140万キロ)よりも近い約120万キロ付近まで太陽に最接近し、その後、地球へ近づき、遠ざかっていく。ハレー彗星のような周回型と異なり、「二度目はない」とされる。