2012.9.2 15:22
スポーツサイクルのブームが続いている。大通りや郊外を自転車でさっそうと走る姿が増え、関連市場も活況を呈している。しかし一方で、危険な運転や、違法駐輪などマナーの問題も絶えず取りざたされ、“市民権”を得たとは言い難い。自転車はスポーツであると同時に交通手段そのものでもあり、社会や交通環境との調和が問われている。(産経デジタル 上野嘉之)
日本生産性本部がまとめた「レジャー白書」によると、自転車の参加人口は平成20(2008)年の950万人から、21(2009)年には1520万人と大きく伸び、ランニングと同様に市場の成長が続いているという。
ブームを牽引(けんいん)しているのは30~40代の男性。健康管理やダイエットの一環でサイクリングに取り組み、夢中になったという例が少なくない。エコ意識の高まりを受け、ライフスタイルに自転車通勤を取り入れる人も増え続けている。
サイクリングといえば、1970~80年代には自転車を使った長期の旅行や冒険への挑戦が注目を集めた。90年代になると、野山を駆けるマウンテンバイクの人気に火がつき、太いタイヤと無骨な車体の自転車が市街地でも急増した。