パソコンやスマートフォン(高機能携帯電話)の急速な普及に伴い、長時間画面をのぞき込むことで首の骨の自然な湾曲がなくなる「ストレートネック」の人が増えている。肩こりや頭痛、めまいなどの原因になることもある。(戸谷真美)
◇
若い女性に多く
電車に乗ると、多くの人がスマートフォンや携帯電話、携帯ゲーム機の画面に見入る姿が目立つ。多くは背中を丸め、顔を下に向けた姿勢だ。
この姿勢は頭を支えたうえで、首や肩、肘を固定するため、首の前側の筋肉(斜角(しゃかく)筋)が強く緊張する。斜角筋は小さく伸びにくいため、頭と首が前に出る。筋肉がこの状態で固まってしまい、頸椎(けいつい)の自然な湾曲が失われてしまうのがストレートネックだ。
稲毛整形外科(千葉市稲毛区)の南出正順院長は「20、30代の女性に多い。女性は男性に比べて首が細く筋力が弱いため、頭の重さを支えられない。若い女性の半数以上がストレートネックではないかとも言われています」と指摘する。
ストレートネックは頭が首よりも前に出るため、首や背中の筋肉によって負担がかかり、慢性的な肩こり、首のこりに悩まされやすくなる。首を曲げても下部頸椎は動かないため、手のしびれや頭痛、めまい、目の奥の痛み、吐き気といった症状が出ることもある。