アフリカ豚コレラ、感染力あるウイルス確認 中国からの旅客が持ち込んだソーセージに

中部空港に持ち込まれ、アフリカ豚コレラの生きたウイルスが確認されたソーセージ(農水省提供)
中部空港に持ち込まれ、アフリカ豚コレラの生きたウイルスが確認されたソーセージ(農水省提供)【拡大】

 農林水産省は2日、中国からの旅客が持ち込んだ二つのソーセージに、アフリカ豚コレラの生きたウイルスを確認したと発表した。感染力のあるウイルスの持ち込みが分かったのは初めて。違法な畜産物の持ち込みに対し、家畜伝染病予防法に基づく告発など対応を強化する方針も明らかにした。

 アフリカ豚コレラでこれまで国内で確認されたのはウイルスの遺伝子で、そこから陽性か陰性かを調べていたが、感染力は不明だった。生きたウイルスがいた豚肉のソーセージは今年1月12日に中部空港に持ち込まれ、25日にウイルスを確認した。上海と青島を出発した航空機で来た中国人とみられる2人がそれぞれ持ち込んだ。2人に直接の関係はなく、土産用として持ち込んだとみられる。

 家畜伝染病予防法では、違法な畜産物の持ち込みは100万円以下の罰金か3年以下の懲役となっている。ただ、これまでは罰則を適用するのは違法に持ち込み販売するなど悪質な事例に限っていた。今後は違反事例を集約し、持ち込みを繰り返した場合は告発するなど対応を強化する。