銭湯最多の街に「専用ビール」 東京・大田、唯一の醸造所が開発

 風呂上がりに飲むのは牛乳? それともビール? 都内最多の約40軒の銭湯があるとされる東京都大田区で、唯一のビール醸造所が「銭湯専用ビール」を開発した。気分次第で選べる2種類の味が銭湯の利用客に大人気という。

 開発したビール醸造所が直営するダイニングバー「羽田バル」を区内で経営する有限会社大鵬の大屋幸子社長(40)は、「羽田空港の利用者は多いが、大田区にとどまる人は少ない。特に外国の方はビールが好きだし、お風呂文化も面白がってもらえる。大田区にもっと来てほしい」と話す。こうした願いを込め、同会と協力し商品化を進めたという。

 味は2種類。黒湯をイメージした「黒湯ビール」は今夏から販売を開始し、味はしっかりしていながらも飲みやすい。さっぱりしていてごくごく飲める「銭湯ビール」は今秋から販売。もちろん、風呂上がりの時以外でもおいしく飲める。

 ラベルにもこだわり、区内在住のイラストレーターが黒湯を使って描いたデザインを採用。大田区の公式PRキャラクターの「はねぴょん」も登場している。ラベル貼りの作業は同区にある志茂田福祉センターの利用者が行っている。

 区内の銭湯と羽田バルで販売中。銭湯ではそれぞれ650円、羽田バルでは600円で提供している。年明け以降に他区での販売も検討している。販売状況は銭湯によって異なるので要確認。