手巻き、ツナマヨ…そして健康志向へ 今も進化、「コンビニおにぎり」40年史 (1/4ページ)

「dancyu」2018年11月号の特集「おにぎり。」
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  • 「dancyu」2018年11月号の特集「おにぎり。」より
  • ※写真はイメージです(写真=iStock.com/Ljiljana Pavkov)
  • 「dancyu」2018年11月号の特集「おにぎり。」より。※コンビニおにぎりのラインナップについては、地域・店舗・時期により、取り扱いがない場合や商品企画が異なる場合がある

 今や国民食となった「コンビニおにぎり」。食に詳しいライターの松浦達也氏は「コンビニおにぎりの具材や形態のバリエーションは百花繚乱で日本人の食になくてはならない存在ですが、初めて売り出した40年前は見向きもされなかった。突破口を開いたのがツナマヨでした」と話す。ダントツ1位人気「ツナマヨ」の意外な誕生エピソードとは--。

 ※本稿は、「dancyu」2018年11月号の特集「おにぎり。」の記事の一部を再編集したものです。

 日本の「食」を変えた「コンビニおにぎり」

 おにぎりといえば、コンビニである。

 最大手のセブン-イレブンだけでもなんと年間22億個が売れ、国内コンビニを合計すると年間数10億個のおにぎりが売れているという。本稿では国民食「コンビニおにぎり」の歴史を紐解きながら、その魅力を改めて考察したい。

 日本に"コンビニ"が登場する1970年代まで、おにぎりは家庭で「つくる」もので、店で「買う」ものではなかった。一部に専門店はあったものの、「おふくろの味」であり「手づくり」の代名詞だった。

 もっとも1970年代、まだ黎明期だったコンビニのカウンターのレジ脇、ガラスケースに並べられたおにぎりは、客からほとんど見向きもされなかった。セブン-イレブン社内でも「おにぎりは家庭で作るもの。コンビニで売れないのではないか」と危惧する声が大きかったという。

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