福井県内にあるコンビニ「セブン-イレブン・ジャパン」加盟店の男性オーナーが、今年2月に記録的な大雪に見舞われた際、本部に営業停止を要請したものの認められず、約50時間にわたって連続して勤務したと訴えていることが17日、分かった。
オーナーらでつくる「コンビニ加盟店ユニオン」が今月11日、中央労働委員会の審問で明らかにした。本部は「営業継続の可否は人命安全を最優先にオーナーが判断するよう規定している」と説明した上で「担当者が不在のため詳細は分からない」としている。
ユニオンによると、50代の男性オーナーは2月6日未明から店の駐車場の雪かきに追われた。一緒に働く40代の妻は除雪の疲労で同日深夜から体調を崩し、本部から応援が来ても数時間で交代したため、オーナーは8日まで店で勤務した。屋根から落雪の危険があるため、本部に営業停止を複数回要請したという。
◇
福井県の記録的豪雪 今年2月上旬に福井県を襲った記録的な大雪。福井市では7日に147センチの積雪を観測し、全国で大きな被害が出た昭和56年の「昭和56年豪雪」以来の大雪となった。国道8号で一時、車約1500台が立ち往生するなど市民生活がまひ。県の災害派遣要請を受けた陸上自衛隊が救助活動に当たった。県によると、屋根の雪下ろし中の転落や車中での一酸化炭素中毒などで12人が死亡。県内の農業用ビニールハウスは千棟以上が倒壊し、農産物の生産や出荷にも影響が広がった。