6日の最大級の太陽フレアにより、太陽(中央)から粒子が宇宙空間に放出される様子を捉えた人工衛星の画像。太陽光を遮るため、太陽そのものは円盤で隠されている(NASA/ESA提供・共同)【拡大】
情報通信研究機構は8日、太陽表面で発生した6日の最大級の「フレア」で放出された大量の粒子が、衝撃波となって8日午前7時ごろ地球の上空に到達し、磁場が乱れているのを観測したと明らかにした。通信機器などに影響を及ぼし始める可能性があり、警戒を呼び掛けている。
当初は8日午後3時~9日午前0時ごろに到達するとみていたが、粒子の速度が予想より速かったという。米海洋大気局は、観測された磁気嵐は「非常に強い」と警告した。人体に影響はないとしている。 菅義偉官房長官は記者会見で、総務省が携帯電話や人工衛星などの関係事業者に注意喚起していると説明。野田聖子総務相は「今後の状況を調査し、報告できる状況にしたい」と述べた。 一方、7日夜に再び最大級の太陽フレアの発生も観測された。これにより警戒が必要な時間帯が延びることも想定され、米航空宇宙局(NASA)は太陽活動の監視を継続する。
フレアによって放出された電気を帯びた粒子は、地球の磁場や上空の電離層の乱れを招き、通信機器や衛星利用測位システム(GPS)などに影響を及ぼすことが懸念される。強い磁気嵐の影響で、北海道でオーロラが見える可能性もあるという。
NASAによると、7日午後?時半ごろにも最大級のフレアが発生した。6日に発生したものと比べると、エックス線の強さは7分の1程度とやや小さいが、フレアの規模を表す5段階の等級は最大級のXクラスだった。