ゲームや遊び通じ「助け合い」学ぶ 災害時にどう行動するか、「共助」の視点も育成 (1/2ページ)

明石高専防災団が作成したすごろく型防災ゲーム「RESQ」
明石高専防災団が作成したすごろく型防災ゲーム「RESQ」【拡大】

 災害が起きた際に、どのように行動すべきか-。こうした知識の浸透が進まない中で、ゲームや遊びなどを活用した防災に関する教材を取り入れる動きが出ている。阪神大震災(平成7年)といった実際の被災者らの声を生かし、自らの命を守る術のほか、周囲と助け合う「共助」の視点を重視したものも目立つ。1日は防災の日。関係者は「自主的に防災を考える契機にしてほしい」と願っている。(杉侑里香)

 明石工業高等専門学校(兵庫県明石市)では昨年、民間資格の「防災士」を取得した生徒が中心となり、すごろく型防災ゲーム「RESQ」を作成した。AEDなどの防災グッズを入手・活用しながら、人命救助や消火活動など災害時に想定される助け合いのミッションをこなすことで得られる「防災ポイント」の数を競うゲームだ。

 2年前に開発した別のゲームでは避難所へたどりつくことをゴールに設定。しかし、阪神大震災の被災者らから体験を聞く中で、自分だけが助かるのではなく周囲との助け合いが大切だと認識し、改良に取り組んだという。

 4年生の渡部桂太●(=朗の旧字体)さん(19)は「ゲームを楽しみながら被災者の経験や知恵、共助の意識を広めていきたい」と話す。

 こうしたゲーム形式の防災教材は広がりを見せている。主体は自治体や教育機関が多いが、民間企業が開発に携わるケースもある。

正解のない“災害時のジレンマ”、ゲームで学習