【視点】「忖度」の意味 恣意的に歪めていないか 産経新聞論説委員・清湖口敏 (1/3ページ)

 「(『忖』も『度』も、はかる意)他人の心中をおしはかること。推察」-広辞苑が教える「忖度(そんたく)」の意味である。作家の佐藤優氏は「忖度は、人間社会を円滑に動かす重要な機能」「他人の気持ちを推し量って行動するという忖度を抜きにして仕事は成り立たない」(『週刊東洋経済』6月24日号)と述べているが、全く同感だ。

 人の気持ちを忖度し、それに寄り添うのは絶対の美徳である。その「忖度」が森友学園問題をきっかけに汚いイメージにまみれてしまった。加計学園問題では「総理の意向」に対する官僚の忖度の有無をめぐって与野党の論戦が激化した。一連の議論で気になったのは、忖度が冒頭の語義から大きく逸脱し、もっぱら「おもねる、へつらう」の意味で使われたことである。

 世につれ場面に応じて言葉の意味が変わるのは、別段珍しい例ではないから、忖度に負の語感が加わったところで特に驚くには当たらない。しかし国民の言語行動に大きな影響を与えるマスコミが、言葉のもともとの意味までも恣意(しい)的に歪(ゆが)め、それを世間に垂れ流しているのだとしたら、さすがに問題と言わざるを得ない。

歴史的にはいつ、忖度という語が登場したのか

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