国税庁は8日、新しい長官に7月5日付で就任した前財務省理財局長の佐川宣寿氏(59)が慣例となっている就任会見を開かないと明らかにした。同庁は理由について「諸般の事情」としているが、大阪市の学校法人「森友学園」に国有地が売却された問題の担当局長として国会で追及された経緯があり、庁内からは質問が同問題に集中するなどの混乱を懸念したとの見方が出ている。
長官は就任2~3週間後には会見し、課題や抱負を述べるのが従来の慣例。同庁によると、少なくとも最近十数年の新長官は全員が就任会見を開いてきた。
佐川長官は会見に代わり「これまでの経験を生かして、国税当局に課された課題に取り組んでいきたい」などとするコメントを発表した。