宇宙ベンチャーのインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)が自社開発した小型ロケット「MOMO(モモ)」初号機が30日午後4時半ごろ、同町の発射場から打ち上げられたが、発射直後に不具合が生じた。打ち上げは失敗したとみられる。
同社関係者の公式ツイッターによると、発射直後に通信が途絶し、エンジンを緊急停止させた。機体は海上に墜落し、打ち上げは失敗したもようだ。
MOMOは国内の民間企業が単独開発した初の宇宙ロケットで、政府が推進する民間宇宙ビジネスの旗手として期待されていた。
計画では、打ち上げ約4分後に高度100キロ以上の宇宙空間に到達。その後は地球の重力で落下し、同約7分後に大樹町から東南東約50キロの太平洋に着水して、機体は船で回収される予定だった。
MOMOはエタノールと液体酸素を燃料に使う1段式のロケットで、全長10メートル、重量約1トン。重さ20キロの荷物を搭載でき、今回は観測装置などを積んでいた。
同社は元ライブドア社長の堀江貴文氏らが創業し、平成18年に宇宙事業を立ち上げた。MOMOの技術を基礎に超小型衛星を打ち上げるロケットを開発し、32年にも打ち上げ市場への参入を目指していた。打ち上げ失敗が今後の計画に影響を与えるのは必至だ。
MOMO初号機の打ち上げは当初、今月29日の予定だったが、リハーサルで見つかった技術的な課題や悪天候のため30日に延期。この日も液体酸素タンクのバルブの不具合などで発射時刻をたびたび延期していた。