中国人民解放軍所属の海軍工程大学が、今年の新入生募集要項の中で、「電磁式カタパルト」の専門課程を設けて学生を新規募集することが明らかになり、内外の注目を集めている。
カタパルトというのは、空母のような艦艇から航空機を射出するための機械である。蒸気式や電磁式などいくつかの方式があるが、中でも「電磁式カタパルト」は抜群の性能を有している。このため米国がまず実用化し、これを追って中国も開発に着手している。
中国はいま「遼寧」という空母を1隻所有し、すでに就航している。この空母は未完成だったロシア「ワリヤーグ」を購入し、空母として完成させたもの。ところが最大の欠陥は、艦載機の発進がうまくいかないことだった。
「遼寧」では甲板を上に向け、艦載機のエンジンの力だけで発艦させる「スキージャンプ」と言われる方式を採用している。しかも艦載機はロシアの戦闘機をベースに開発したため、エンジン出力が不足していて、甲板上で、十分な加速が得られない。やむなく艦載機の積載量を極端に減らし、身軽にしてなんとか発進させている。