東京都港区の大規模マンションが建築基準法の規定を満たさない違法建築になる恐れがあることが18日、分かった。建築確認で申請した敷地の一部が転売され、別のマンションの建設が進んでいるためで、完成すると敷地の「二重使用」となり、もともとあったマンションの方が違法建築となる。住民は、新築マンションの建築確認取り消しを都建築審査会に求めており、19日に関係者の主張を聞く口頭審査が開かれる。
問題となっているのは、昭和56年に建てられた地上14階地下2階のマンション(約180戸)。JR山手線の品川-田町間に建設予定の新駅近くの好立地だ。
このマンションは、建物が建っている土地約1580平方メートルと隣接する土地約1970平方メートルを敷地として建築確認を申請し、認められた。
隣接地は転売が繰り返され、時間貸し駐車場などに利用されていた。
平成28年3月に隣接地の所有権をJR九州が取得、16階建てマンション(234戸)の建設を計画した。10月に指定確認検査機関が建築確認を出し、既に着工。完成すると既存マンションは敷地に建てられる建物の延べ床面積(容積率)や建築面積(建ぺい率)が法定基準に適合しない違法建築となり、行政が強制的に建物の撤去ができる「除却命令」の対象となる。