【Science View】 (2/4ページ)

2017.6.15 05:00

北島智也氏
北島智也氏【拡大】

  • 図卵子が染色体数異常になりやすい理由卵母細胞の細胞質サイズが大きくなると、紡錘体極の機能性は低くなる。このため、染色体は正確な分配の必要条件である紡錘体赤道面への整列に失敗しやすい。通常、染色体が整列に失敗したとしても、紡錘体チェックポイントにより細胞周期の進行が停止し、染色体分配の間違いは防がれる。しかし、細胞質が大きくなると、紡錘体チェックポイントの厳密性が低くなる。これら2つの影響により、細胞質サイズが大きいほど染色体分配の間違いが起こりやすい。
  • 石垣和慶氏
  • 図eQTLカタログの応用例関節リウマチのリスク多型の機能(どの細胞種でどの遺伝子の発現を亢進・低下させるか)をeQTLカタログを用いて評価した。5つの細胞種ごとに、どの遺伝子が亢進もしくは低下すれば関節リウマチの発症リスクであるかを示している。例えば、CD4陽性T細胞におけるPADI4遺伝子の亢進やBLK遺伝子の低下は関節リウマチの発症リスクだと考えられる。

 今後、(1)や(2)の分子機構を解明することで、染色体分配の正確性を向上させる方法を確立できる可能性がある。

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【プロフィル】北島智也

 きたじま・ともや 2006年東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻博士号(理学)取得。東京大学分子細胞生物学研究所助手、European Molecular Biology Laboratory(EMBL)Heidelberg研究員を経て、2012年から現職。

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 ■コメント=完璧な人間がいないように、完璧な細胞もありえ ません。細胞の中に人生の縮図を見てみたい。

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 ■免疫機能の個人差に関わる遺伝子カタログを作成

 □理化学研究所 統合生命医科学研究センター 統計解析研究チーム 特別研究員・石垣和慶

 ヒトの免疫機能には個人差があり、個人差の積み重ねが免疫疾患発症などの原因となることが近年明らかになってきた。特に、免疫細胞内における遺伝子発現量の個人差が免疫疾患の発症に大きく関わると考えられている。

 今回、理研を中心とした共同研究チームは、105人の健常人から5種類の主要な免疫細胞(CD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞、B細胞、NK細胞、単球)を回収し、遺伝子発現量の個人差に関与するゲノム領域(eQTL)を次世代シーケンサーにより網羅的に解析することで、免疫機能の個人差に関わる遺伝子カタログ(eQTLカタログ)を作成した。複数の免疫細胞を対象とした研究はアジア初の試みである。

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