京都の伝統産業「西陣織」の産地である京都市上京区の西陣地区に5日、ロボットの開発や製造販売を手掛ける「テムザック」(福岡県宗像市)が研究拠点となる中央研究所を開設した。同社が関西の候補地を探していたところ、西陣織帯地メーカーの渡文(同区)が誘致。機織工場だった建物を借りて開設した。
中央研究所は、ロボットのモーターに電気回路などを組み合わせた製品(アクチュエーター)や人工知能(AI)、自動運転などの先端的な研究を行う。入り口付近には見学スペースも設置。当面は高本陽一社長を含めた5人体制だが、将来的には技術者を雇用するなどして20人体制とし、研究部門の拠点を目指す。
高本社長は「ここでは最先端のものを研究し、九州で量産化する体制にする。(西陣を選んだのは)京都に研究所を置いたというと、海外の研究者からはすぐに来たいという地の利もある」と話している。
渡文の渡邉隆夫社長は「西陣は古いことだけでなく新しいこともやる。織屋とロボット会社が組んで何か面白いことができれば」と期待を寄せた。