日本版GPS本格運用 構想45年、お蔵入りだった「日本独自軌道」復活の転機は「ごみ同然の失敗衛星」 (1/2ページ)

2017.5.30 19:08


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  • 公開された準天頂衛星「みちびき2号機」=4月5日午後、茨城県つくば市のJAXA筑波宇宙センター
  • H2Aロケット34号機の打ち上げについて記者会見する三菱重工業の担当者ら=30日午後、鹿児島県の種子島宇宙センター

 日本版の衛星利用測位システム(GPS)を担う政府の準天頂衛星みちびき2号機が6月1日午前9時17分46秒、H2Aロケット34号機で種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げられる。日本人が45年前に考案した独自の軌道を飛行する国産の測位衛星だ。運用中の1号機を含む計4基で来年4月から本格運用が始まる。

 GPSは米国が開発した位置測定システムで、約30基の衛星が地球を周回し全世界をカバーしている。日本でもカーナビゲーションなどで広く利用されているが、日本周辺を補完的に測定する衛星として開発されたのがみちびきだ。

 赤道上空の静止軌道を傾けたような軌道を周回。地上から見ると8の字を描き、日本の真上付近(準天頂)を長く飛行する特徴がある。このため測定用の電波が高層ビルや山に遮られず、GPSより安定で高精度の位置情報が得られる。

 この軌道は準天頂軌道と呼ばれ、旧郵政省電波研究所(現情報通信研究機構)の研究者が昭和47年に考案。しかし衛星の燃料消費が多く実用的でないとされ、お蔵入りになった。

打ち上げに失敗した「ごみ同然」の通信衛星が、予定外の軌道を飛行し始め…

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