東京電力が柏崎刈羽原発(新潟県)の免震重要棟の耐震性不足を把握しながら、原子力規制委員会に誤った説明を続けていた問題で、東電は29日、謝罪と説明のため、原発が立地する柏崎市と刈羽村の全世帯を対象に戸別訪問を始めた。
東電によると、社員が手分けして9月までに約4万1千軒を訪問する。東電は平成27年以降、原発の安全対策や審査状況を説明するため、全戸訪問を2回行っている。
この日、新潟本社の橘田昌哉副本部長が刈羽村割町新田の猪俣彰吾区長(63)を訪問。「説明と広報に丁寧さが足りておらず、ご心配をお掛けして反省している」と述べた。猪俣区長は「住民は不信感を持っており、厳しい意見も出ている。しっかりと地元の意見を聞いてほしい」と求めた。東電は25年9月に柏崎刈羽6、7号機の再稼働に向けた審査を規制委に申請。翌26年には免震重要棟の耐震性不足を把握していたが、今年2月の審査会合まで公表していなかった。