月面探査車レース、日本大詰め 「HAKUTO」月内に最終試験 (1/2ページ)

探査車「ソラト」の実物大模型=3月、東京都港区
探査車「ソラト」の実物大模型=3月、東京都港区【拡大】

 民間初の月面探査を目指す国際コンテストに臨む日本チーム「HAKUTO(ハクト)」の準備が大詰めを迎えている。今月中にも探査車の最終試験を開始、12月にインドのロケットで打ち上げる。全長58センチの小さな車体で世界の4チームと競う。月面での探査が実現すれば、日本の宇宙開発史上でも初の快挙だ。

 コンテストは「グーグル・ルナXプライズ」で優勝賞金は破格の2000万ドル(約22億円)。月面の着陸探査に成功したのは、国が威信を懸けて取り組んだ米国、旧ソ連、中国だけ。その状況を打開するよう民間の宇宙開発を促すのが狙いだ。

 月面に着陸後、500メートル以上移動し、高解像度の動画や画像を地球に最も早く送ったチームが優勝する。ハクトとインド、イスラエル、米国、多国籍の計5チームが参加。いずれも年内に打ち上げる。

 「宇宙を舞台にしたプロジェクトを民間の力でも達成できることを示したい」。ハクトの袴田武史代表(宇宙ベンチャー「ispace」社長)は参加の理由を語る。チームは吉田和哉・東北大教授(宇宙ロボット工学)ら約100人で、2010年に結成した。

最終試験では、月面に見立てた鳥取砂丘で走行性能を確認