■4本の樹状柱が互いに支え合い大樹に
同センターは木造平屋建てで、4本の樹状柱が互いに支え合い大樹となって大屋根を支える建物構造で、「世界的にも非常に珍しい建屋となっている」(内山学長)。木材を使用することで、日本の伝統建築からモノづくりの原点をイメージさせる。
正面入り口の両サイドにはガラスを挟み込んで外壁として利用可能な太陽光発電パネルが設置されており、研究・開発用の電力源として利用している。電動オペレーションによる自然換気システムのほか、建物外壁の一部や全面を二重ガラスで覆うダブルスキンを採用、耐震性にも優れている。内部は、中央にある展示スペースの周辺に「機械系」「化学系」「システム系」「多目的工作スペース」と4つのワークスペースを設置、ワークスペースを囲むように、4つの研究室が配置されている。
現在、研究・開発で最も力を入れているのが新型電力貯蔵用電池だ。バナジウム系レドックスフロー電池設備を設置して、「太陽光発電からの電気を蓄電する技術を韓国企業などとの共同研究で進めている」(同)。蓄電池の研究・開発を担当している同大工学部の松浦宏昭准教授によると「バナジウムを利用したレドックスフロー電池は大型のシステムでは実用化されているが、中小型はコスト的に難しい」。しかし、工業大学として新しいエネルギー技術の創造という産業技術の発展に貢献するためにも、難しいバナジウムの中小型蓄電池の開発などで「環境に優しい自然エネルギー開発の埼工大」というキャッチフレーズの定着を目指している。バナジウム系の大型蓄電池では現在のコストが1ワット時あたり約78円。同大の研究では「中小型で1ワット時22円を目指している」(松浦准教授)。