□アールツーソリューション代表・小野広弥氏
太陽光発電の普及が進む一方で、破損した太陽光パネルなどの処分法、リサイクルの確立が課題として浮き彫りになっている。廃棄物処理の市川環境エンジニアリング(千葉県市川市)など4社が共同で中古パネルのリユース、リサイクルを手がける合同会社「アールツーソリューション(R2S)」を3月1日に設立した。R2Sの小野広弥代表に課題や今後の事業の展望などを聞いた。
◆1年間破砕処理
--会社設立の経緯は
「2014年度の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による『太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト』で、市川環境エンジニアリングが『結晶シリコン太陽電池の低コスト分解処理技術の調査開発』のテーマで応募。採択を受け、鹿島などと組んで、太陽光パネルの破砕処理を1年間取り組んだ。その結果、太陽光パネル1枚当たりの重量ベースで、アルミフレームが20%、ガラスが70%、シート状のシリコンや銀のペーストなどが10%ぐらいあることがわかった。それらを効率よく分けることができれば、有価物になると確信した」
「その一方で、太陽光パネルのアルミフレームは外しやすいが、ガラスや結晶シリコン、バックシートは強力に接着されているため、これをうまく分解できる技術の開発が必要なこともわかった。そこで、15年度もNEDOのリサイクル実証プロジェクトに応募したが、公募の条件が合わず辞退することになった。それで、実証実験に参画できないなら、自分で太陽光パネルのリユース、リサイクルを手がける会社をつくろうと」