【eco最前線を聞く】太陽光パネルを効率よく有価物に分解 (1/3ページ)

2016.12.5 05:00

傷が付いてしまい使用不能となった太陽光パネル(R2S提供)
傷が付いてしまい使用不能となった太陽光パネル(R2S提供)【拡大】

 □アールツーソリューション代表・小野広弥氏

 太陽光発電の普及が進む一方で、破損した太陽光パネルなどの処分法、リサイクルの確立が課題として浮き彫りになっている。廃棄物処理の市川環境エンジニアリング(千葉県市川市)など4社が共同で中古パネルのリユース、リサイクルを手がける合同会社「アールツーソリューション(R2S)」を3月1日に設立した。R2Sの小野広弥代表に課題や今後の事業の展望などを聞いた。

 ◆1年間破砕処理

 --会社設立の経緯は

 「2014年度の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による『太陽光発電リサイクル技術開発プロジェクト』で、市川環境エンジニアリングが『結晶シリコン太陽電池の低コスト分解処理技術の調査開発』のテーマで応募。採択を受け、鹿島などと組んで、太陽光パネルの破砕処理を1年間取り組んだ。その結果、太陽光パネル1枚当たりの重量ベースで、アルミフレームが20%、ガラスが70%、シート状のシリコンや銀のペーストなどが10%ぐらいあることがわかった。それらを効率よく分けることができれば、有価物になると確信した」

 「その一方で、太陽光パネルのアルミフレームは外しやすいが、ガラスや結晶シリコン、バックシートは強力に接着されているため、これをうまく分解できる技術の開発が必要なこともわかった。そこで、15年度もNEDOのリサイクル実証プロジェクトに応募したが、公募の条件が合わず辞退することになった。それで、実証実験に参画できないなら、自分で太陽光パネルのリユース、リサイクルを手がける会社をつくろうと」

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