東電、火災のケーブル35年間の旧式のまま 都心のインフラ老朽化どう防ぐ (1/3ページ)

 東京都心部で約58万6千軒の大規模停電を引き起こした埼玉県新座市の地下送電ケーブル火災について、東京電力は13日、発生現場と同じ35年以上が経過した旧式の送電ケーブルが管内に総延長で約1千キロ以上あることを明らかにした。東電は新式への置き換えを進めているが、旧式の多くは地下施設が過密状態の都心に集中しているという。

 「35年以上も同じケーブルを使い続けながら劣化を見抜けなかった」。世耕弘成経済産業相は13日、東電の広瀬直己社長にこう厳しい言葉をかけた。広瀬社長は謝罪した上で、同タイプの送電線を緊急点検中だと説明した。安倍晋三首相も13日の参院予算委員会で、「ほかの電力会社も含めて古いケーブルの緊急点検を実施させ、同様の事案が生じないよう指導、監督していく」と強調した。

 火災現場には13日、埼玉県警や消防などの職員が入ったが、放水した水が深さ約160センチまでたまり、ケーブルのある場所まで行けなかったという。排水作業に2、3日かかるという。

絶縁紙の破損による漏電で油が発火したことが原因とみられ…