2016.9.16 05:00
設立10周年を祝う会で挨拶に立つVALUENEXの中村達生CEO【拡大】
情報解析サービスのVALUENEX(東京都文京区)が設立10周年を迎え、都内で開いた祝う会には顧客企業の幹部、支援者、知財関連サービス企業の経営者ら約120人が集まった。設立から現在までと今後について、中村達生最高経営責任者(CEO)に聞いた。
--これまでを総括すると
「以前は民間シンクタンクで国の産業動向調査を担当していた。市場ニーズと技術シーズの関連を定量的に解析できれば産業活性化や企業の開発力向上に生かせると考え起業した。強みはあらゆる知的な情報を大量に超高速処理し可視化する技術力。専門家向けツールの開発やコンサルティングから入り、いずれ一般向けに専門家なみの機能が使えるサービスを展開すると戦略を決めた」
--2002年の知財立国宣言を機に数々の知財ビジネス会社がスタートしたが、多くは撤退した
「当初描いた経営ビジョンや戦略をぶれなく進めてきたことが生き残れた理由の一つではないか。起業当初は苦労した。例えば10年前の特許調査は、企業が特許出願をする際の障害となる先行特許を見つけるため、データを絞り込む手法が使われていた。これに対して、われわれは技術分野の組成を知るため、大量のデータを使った全体の俯瞰(ふかん)から入る。木を見たいのに森を見ている、こんなモノは使えないと猛反発を受けたものだ」