韓国や中国からのインバウンド(訪日外国人)でにぎわう大阪。中国人客による家電やブランド品の「爆買い」はピークを過ぎたといわれる一方、道頓堀クルーズやカラオケなど、大阪や日本ならではの体験やサービスを楽しもうとする観光へのシフトが顕著になっている。絶好の商機を逃すまいと、観光地やレジャー施設はあの手この手で取り込みに躍起。“争奪戦”の結果、「遊びに行ったら中国人や韓国人ばかりで外国みたいだった」と違和感を覚える日本人客も増えているが、インバウンド狂想曲は高らかに鳴り響き続けているようだ。(井上浩平)
クルーズの大半は韓国人
「日本人はオンリーツーピーポーですね」
8月18日午後7時すぎ、大阪・ミナミの道頓堀川を航行するクルーズ船上で、ガイドの土井祐香さん(21)がマイクで話すと外国人客からどっと笑いが起きる。約70人の乗客に「どこから来ましたか?」と尋ねたところ、約40人が韓国で、他に中国や台湾などが挙がった。「日本人だ」と答えたのは2人だけだったのだ。
土井さんは「会社から『案内で日本語は必ずしゃべって』と言われているけど、お客さんはアジア系の外国人ばかり。普段は韓国人客が8~9割なので今日は少ないほう」と話す。