「中国人や韓国人ばかりで外国みたい…」 大阪インバウンド争奪戦の明暗 (1/7ページ)

道頓堀川を航行するクルーズ船上で、「グリコの看板」などを夢中で撮影する韓国人客ら=8月18日午後7時すぎ、大阪市中央区
道頓堀川を航行するクルーズ船上で、「グリコの看板」などを夢中で撮影する韓国人客ら=8月18日午後7時すぎ、大阪市中央区【拡大】

  • 夜の道頓堀川を進むクルーズ船。大半の便が外国人観光客で満席となっている=8月18日午後7時半、大阪市中央区
  • 外国人客を呼び込もうと韓国語や中国語などで店のシステムを紹介している「ジャンボカラオケ広場心斎橋店」=8月15日、大阪市中央区
  • インバウンドを取り込もうと、住之江競艇場は中国語などで競艇のルールを説明したパンフレットを作成した=大阪市住之江区
  • 韓国人観光客らに人気の「とんぼりリバークルーズ」。乗客は自撮り棒を使うなどして記念撮影を楽しんでいた=8月18日午後7時すぎ、大阪市中央区

 韓国や中国からのインバウンド(訪日外国人)でにぎわう大阪。中国人客による家電やブランド品の「爆買い」はピークを過ぎたといわれる一方、道頓堀クルーズやカラオケなど、大阪や日本ならではの体験やサービスを楽しもうとする観光へのシフトが顕著になっている。絶好の商機を逃すまいと、観光地やレジャー施設はあの手この手で取り込みに躍起。“争奪戦”の結果、「遊びに行ったら中国人や韓国人ばかりで外国みたいだった」と違和感を覚える日本人客も増えているが、インバウンド狂想曲は高らかに鳴り響き続けているようだ。(井上浩平)

 クルーズの大半は韓国人

 「日本人はオンリーツーピーポーですね」

 8月18日午後7時すぎ、大阪・ミナミの道頓堀川を航行するクルーズ船上で、ガイドの土井祐香さん(21)がマイクで話すと外国人客からどっと笑いが起きる。約70人の乗客に「どこから来ましたか?」と尋ねたところ、約40人が韓国で、他に中国や台湾などが挙がった。「日本人だ」と答えたのは2人だけだったのだ。

 土井さんは「会社から『案内で日本語は必ずしゃべって』と言われているけど、お客さんはアジア系の外国人ばかり。普段は韓国人客が8~9割なので今日は少ないほう」と話す。

当初は集客に苦戦し、1日の乗客が50人以下ということも珍しくなかった