2016.7.21 05:00
6月中旬、中国では2つのニュースが人々の大きな関心を集めた。ひとつは、元駐フランス大使・呉建民氏が、湖北省武漢で交通事故死した事件、そしてもうひとつは、海南航空機内で起きた乱闘騒ぎだった。この2つ、背後には飛行機の遅延という共通項目がある。
呉建民氏は6月18日未明、北京から飛行機で武漢に到着した。氏を乗せた車が、市内に向かう途中、地下トンネルの出口付近にさしかかった辺りで、事故は起きた。明け方4時17分のことである。北京発武漢行の飛行機は、この日約2時間遅れの午前3時前に空港に着いた。
氏の逝去を悼む人々は、こう思わずにはいられない。
飛行機さえ遅れなかったら-。
翌6月19日、北京から西安に向かう飛行機も約3時間の遅れで、午前0時20分頃、ようやく機内へと誘導された。深夜に搭乗口で3時間も待たされた乗客達は、イライラ状態にあったのは想像に難くない。
そんな状況下、機内では女性客の1人が遅延の不満を大声で罵(ののし)り始めたという。しかし答える乗務員はいない。女性客はますますエスカレートし、彼女に加担する客、そんな彼らに対して「黙れ!」「うるさい!」などと罵る客もあり、ついに乱闘事件に発展したのである。最後は警察も来て、この飛行機は結局5時間遅れの出発となった。
中国の飛行機は遅れる。昨年実施された調査によると、世界188の空港で定時発着率のランキング下位20のうち、中国本土と香港・台湾が約6割を占める(中国中央テレビより)。