■国の健康・医療関連研究を発信
参院選で与党が圧勝し、日本再興戦略に掲げられた世界最先端の健康立国、日本発の優れた医薬品・医療機器のグローバル市場獲得への活動は継続されることになった。産業強化、イノベーション創成の一丁目一番地となるのが知的財産だ。安倍晋三首相と甘利明前健康・医療戦略担当相の肝煎りで昨年春に誕生した日本医療研究開発機構(AMED)が1年を経過。文部科学、厚生労働、経済産業の3省に分散していた健康・医療関連研究を統合し、早期に戦略的な出口に結びつけて社会実装し、競争力強化を図るのが狙いだ。初代AMED知的財産部長の天野斉氏(経産省特許庁出向)に聞いた。
--AMED知財部が健康・医療関連研究に関する実質的な知財戦略の司令塔になるのか
「AMEDは実施機関の位置付けで、国全体の知財戦略を作る立場にはない。それは首相以下、全閣僚からなる健康・医療戦略推進本部の下にある健康・医療戦略室が所管する。同室に知財政策の専門家がいないためAMEDの行うべき知財戦略や支援について準備組織段階からさまざまな施策案や資料を提案し採用されている。発信源の一つであることは確かだろう」