米ロッキード・マーチン社は18日、2028年までに火星を周回する軌道に、有人の宇宙基地「マーズベースキャンプ」を建設する計画を表明した。米航空宇宙局(NASA)が30年代に実現を目指す火星有人探査の一部として採用されることを目指すという。
米下院の科学・宇宙・技術委員会での公聴会で証言した同社幹部は「人類が着陸するのに最適な場所を探すには、近い場所から火星表面の地質などを分析する必要がある」と述べた。
火星へ向かう宇宙船「オリオン」も同社が開発中。基地は2機のオリオンと同時にドッキングが可能で、6人の居住を想定。国際宇宙ステーションと同様、太陽光で電力を発生させる。
公聴会では、宇宙飛行士が火星に取り残されるというSF小説「火星の人」の作者アンディ・ウィアー氏も出席し、「火星探査は宇宙滞在期間が長くなる。飛行士の健康のため、新しい基地には遠心力で重力を発生させる装置を備えてほしい」と注文を付けた。(共同)