太陽光や風力、小水力などの自然エネルギー発電所の発電事業・事業開発・資金調達などを手がけるベンチャー企業、自然電力(福岡市)は、建設コンサルタント会社の長大やフィリピンの現地企業など6社共同で、同国ミンダナオ島で自然エネルギーの普及に向けた取り組みに乗り出す。初めての海外案件となる自然電力の磯野謙社長は「国内だけでなく、海外でも再生可能エネルギーの普及と持続可能な社会の構築に貢献したい」と意欲を示す。
--6社による共同事業の内容は
「6社が締結した覚書にはミンダナオ島北アグサン州ブトゥアン市で、3つの河川の小水力発電事業や、もみ殻を用いたバイオマス発電事業の推進、太陽光、風力発電など自然エネルギーの開発を実施することが盛り込まれている。ミンダナオ島は、和平問題や貧困問題が残る地域だが、豊かな自然に恵まれ、自然エネルギーによる電源開発に適した地域も多く、将来の経済発展のポテンシャルが大きい」
--自然電力の役割は
「自然電力は2011年の会社設立以来、14件の自社保有による太陽光発電所を国内で運営しているほか、自然電力グループとして約700メガワット(15年12月時点)の太陽光発電所の企画・開発・EPC(設計・調達・建設)・O&M(運営・保守)に携わってきた。風力や小水力発電事業なども手がけている。国内で培った実績と経験を生かし、地域に適した自然エネルギー発電所の設置を進めることで、経済発展を図るうえで重要なエネルギーの安定確保に寄与したい」