2015年の国内の企業別特許登録件数で、トヨタ自動車が初めて首位に立ったことが28日、分かった。国際競争に先手を打つため先進安全システムや環境技術などの研究開発を強化したことを反映したもようだ。例年上位を占める電機メーカーは業績の不振を反映してか落ち込みが大きく、明暗が分かれた。特許庁が29日発表の報告書で明らかにする。
企業別件数は04年から公表している。15年のトヨタは前年比19.5%増の4614件となり、前年の4位から順位を上げた。「年間1兆円前後の研究開発費を投じてきたことの一つの成果」(トヨタ関係者)といえそうだ。
政府と自動車各社が20年までの実用化を目指す自動運転分野では、運転者の走行データを学習する運転支援装置や、車線変更を自動で行う車両制御装置などを登録。水素を使って走る燃料電池車(FCV)関連では燃料電池や電動車両の製造方法などを登録した。
一方、前年首位だったキヤノンは19.1%減の3717件で2位。13年まで10年連続でトップを走っていたパナソニックは42.7%減の5位に後退するなど、電機メーカーは上位陣が軒並み件数を減らしている。