【Science View】 (3/5ページ)

2016.2.18 05:00

陽子は大きいエネルギーを担う2個のアップ(u)クォークと1個のダウン(d)クォーク、さらに小さいエネルギーを担うクォークと反クォーク、およびこれらの粒子を強い相互作用で結びつけるグルーオンから構成されている。陽子内部では、クォークと反クォークの対が生成・消滅している

陽子は大きいエネルギーを担う2個のアップ(u)クォークと1個のダウン(d)クォーク、さらに小さいエネルギーを担うクォークと反クォーク、およびこれらの粒子を強い相互作用で結びつけるグルーオンから構成されている。陽子内部では、クォークと反クォークの対が生成・消滅している【拡大】

  • 後藤雄二さん
  • 図は刺激強度の上昇がある値に達したとき、スイッチが入ったようにERKの核移行が起こる様子を示している。ERKの核移行には閾値(0.05ng/mlあたり)が存在し、その応答はデジタルであるといえる
  • 新土優樹さん

 理研の研究者を中心とした共同研究グループは、ERKがリン酸化によって活性化された後の、細胞質から核へ局在する過程(核移行)に着目した。ライブイメージングや免疫染色を用いてERKの核移行を観察した。その結果、ERKの核移行応答には閾値があり、その前後でスイッチが働いてERKのシグナルがアナログからデジタルに変換されることを発見した。また、核膜孔複合体を構成するタンパク質のヌクレオポリンがERKのデジタルな核移行応答に重要であることも分かった。このメカニズムを利用することで、今後は細胞の運命を人為的に操作するなどの応用が期待できる。

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【プロフィル】新土優樹

 しんど・ゆうき 慶應大学環境情報学部、同大学院政策・メディア研究科修士課程を経て、大阪大学大学院生命機能研究科博士課程に在学中。日本学術振興会特別研究員DC1。2012年から理研の研修生として細胞内シグナル伝達の研究を進めている。

 ■コメント=既存の分野にとらわれず、生物学・医学における広く根本的な問題にチャレンジしたい。

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