2015.11.14 05:00
「もう一度、日印の橋渡し事業に挑戦したい」と語る帝羽ニルマラ純子さん【拡大】
「日本にあこがれ、来日して16年目、日本人となって8年目。本当に長い、でもあっという間だった」と振り返るのはインド出身の帝羽(ていば)ニルマラ純子さん(38)だ。
当初、日本の特許・技術をインドをはじめ世界へ紹介しようとインターネットサイト「グリーンジャパン」を開設したものの、日本企業からの英語の情報発信は意外に難しく中断した。その後、大手監査法人系コンサルティング会社にスカウトされ、日本企業向けにインドビジネスのリスクコンサルティングを担当したが、日本とインドの橋渡しの事業を起こす夢は断ち難く、登記後休眠していた会社名を変更し、今年4月に「エンセス(Encess)」として事業を再開した。社名は「enabling success」からの造語。「成功を可能にし、“縁”を成功に導く」との思いを込めた。
帝羽さんは自分のスキルや経験と事業性を再検討し「成約に時間のかかる特許・技術のマッチングは控えて、メーンは日本とインドの企業向け人材研修とコミュニケーション支援に置いた」と言う。大手日本企業の人事部から、経営企画部や海外事業部の管理職らを対象にオーダーメード研修などを受託している。
研修内容の要望はさまざま。政治・経済事情、歴史・文化やライフスタイル、各産業分野の動向、特許や営業秘密、特許出願の問題など幅広い。企業ごとに専用の教材を作成している。帝羽さんが最も得意な業界はモノづくり、ICT(情報通信技術)、金融である。